Simon Yoh2022年11月6日1 分一滴の重み2022.11.6 ひとりの人間がこの世に生きた証を残すことは もしそれができれば 素晴らしいことだと思う。 自分にはできないと判っているから、それができる人を、私は素直にうらやましいと思う。 命あるものは全ていつの日か死を迎え、やがて朽ち果てる。...
Simon Yoh2022年4月22日2 分窓辺の母と子2022.4.23 窓とはいったい何でしょう。 窓は単に自分のいる空間と外界とを仕切るだけではなく、時にその仕切りを通して自分と外界との結びつきを意識させるものでもあります。 それでは窓とは、 希望に向かって心を羽ばたかせるところ? 未来へ自己を発信するベースキャンプ?...
Simon Yoh2022年2月23日2 分いつも愛されています2022.2.23 受け入れがたいような出来事が起きた時、 そのさ中にあっても静かな平安を見出すことができますように。 あなたが味わった痛みや経験した苦しみが これから先の人生で新たな試練に遭遇したとき 勇気をもって立ち向い、 明るい未来を信じて生きる力になりますように。...
Simon Yoh2022年1月13日2 分私の人生を編んでくれた人たち2022.01.13 日曜日、教会にはいつも車でゆく。 運転中にむかしのことを“しんみり”思い出している自分に気付くことがあって、可笑しくなる。 忘れることができないあの人たち。 誰からも白い目で見られ、からだがバラバラになるほど苦しかったときに、心の拠り所となってくれた団...
Simon Yoh2022年1月2日2 分窓辺の母と子2022.01.02 窓とはいったい何でしょう。 窓は自分のいる空間と外界とを仕切り、相互のつながりを強めたり、視界を狭めたりします。 また広義で外界からの情報の取り入れ口という意味も持っています。 しかしそれだけのものではありません。 それでは窓とは、...
Simon Yoh2021年12月12日1 分神の愛し子は生まれたもう2021.12.12 誕生したばかりの幼子イエスを初めて抱き上げたとき、父ヨゼフはどのような気持ちだったろうと考えることがあります。 嬉しさのなかに、何となく割り切れないところがあったのではないかと思うのですが、聖家族というタイトルで絵を描くときは、その辺のヨゼフの“心の揺...
Simon Yoh2021年11月28日1 分ラ・カンパネラ2021.11.28 【ラ・カンパネラ】 遥かな国の 名も知らぬ教会の鐘の音が聞こえる 碧い空 冷たく澄み切った空気 天に突き刺さる幾つもの尖塔 私の心は 聖堂の中に吸い込まれてゆく 高い天井 祭壇がズームアップされ キリストの磔刑像が見える わが友 イエス・キリストの御顔...
Simon Yoh2021年11月21日1 分被爆のマリア2021.11.21 長崎市浦上教会の「被爆のマリア」。 原爆によって廃墟と化した瓦礫の中から見いだされた、木製のマリア像の頭部。 初めてその写真を目にしたとき、私は強い衝撃を受けた。 焼け跡が残る頬、カラスの目が溶けて無くなったため、真っ黒に見える大きな眼窩。...
Simon Yoh2021年11月14日2 分「最後だとわかっていたなら」2021.11.14 「最後だとわかっていたなら」 あなたが眠りにつくのを見るのが 最後だとわかっていたら わたしは もっとちゃんとカバーをかけて 神様にその魂を守ってくださるように祈っただろう あなたがドアを出て行くのを見るのが 最後だとわかっていたら...
Simon Yoh2021年11月8日1 分応えられた祈り2021.11.8 功績を立てようと、神に力を祈り求めたのに 謙遜に服従するようにと、弱さを与えられた。 より大きなことをしようと、健康を祈り求めたのに より良いことをするようにと、病気を与えられた。 幸福になるようにと、富を祈り求めたのに...
Simon Yoh2021年11月3日2 分神われらと共に2021.11.3 〈神われらと共に〉 夢を見た、クリスマスの夜に。 浜辺を歩いていた、主と並んで。 砂の上に二人の足が、二人の足跡を残していった。私のそれと、主のそれとを。 ふと思った――夢の中でのことだ―― この一足一足は、私の生涯の一日一日を示している、と。 ...
Simon Yoh2021年10月30日2 分一粒の麦 地に落ちて死ねば2021.1030 《一粒の麦》 老いた父親と二人の息子がいました 母親は既に亡く 父親も死期が間近に迫っていました 二人の息子のうち 兄には三人の子どもがいて 弟は結婚の準備をしていました 二人は仲が悪く 父親の遺産相続を巡って対立していました 父親は二人を枕元に呼び...
Simon Yoh2021年10月25日1 分手紙2021.10.25 窓外の 葉を茂らせる樹々 風に揺れる枝や舞い落ちてくる木の葉 四角い空を切って飛ぶ鳥 手紙を書こう この窓から見える季節の移ろいを 陽が注ぎ 風が騒ぎ 時には雨粒が躍る ただそれらのことを 手紙に書こう きっとあなたは いつの日にか...
Simon Yoh2021年10月24日2 分永遠に朽ちることのないもの2021.10.24 「一粒の麦は、地に落ちて死ななければ、一粒のままである。だが、死ねば、多くの実を結ぶ」(ヨハネによる福音書12:24) ここで述べられている「死」は生物学的な死ではない。 ミサの中で神父にこのことを教えられたのは、わたしが受洗してから既に長い年月が過ぎ...
Simon Yoh2021年10月21日1 分魅せられて2021.10.21 カリジェの「光のマリア」 この絵から出ている 見る者を微塵に打ち砕くほどの激しいものは 一体何だろう 胸の中に熱い固まりが生まれ 涙が湧いてくるのはなぜだろう なぜわたしはこの絵に魅せられてしまったのだろう 教えてください...
Simon Yoh2021年10月17日1 分おにぎり2021.10.17 シャケのおにぎりは三角ににぎり 梅干しは丸くする 具を入れて ひととおりにぎり終わると 短冊に切った焼き海苔で 巻き付けるようにしてすっぽりくるむ ご飯が顔を出しているところは 海苔を小さくちぎってふさぐ わたしは...
Simon Yoh2021年10月16日2 分いつの日にか2021.10.16 わたしが銅版画の技術を習得し聖書からモチーフを得て絵を創作するようになってから、人の顔を、様々な表情を捉えて描くことが多くなりました。 なぜ飽きもせず人の顔ばかり描くのか。 長い間わたしは自分に問いかけていましたが、答えを見いだせず、考えても無駄と知っ...
Simon Yoh2021年9月25日2 分信仰の灯を消さないために2021.9.25 コロナ禍の今、教会は閉鎖されている。 信徒にとってミサに与れないのはとてもつらいこと。 せめてミサが無くても聖堂でお祈りができるように、教会が開放されていたらと思う。 そうすれば誰でもが自由に教会を訪ね、祭壇の前で祈ることができる。...
Simon Yoh2021年9月22日2 分教会のオルガン2021.9.22 教会の音楽にはオルガンが広く使われている。オルガンの音色は優しくて好きだ。 わたしがプロテスタントの信徒だったころの、ある教会でのこと。 奏楽は2人のオルガニストが担当していた。女性のSさんと男性のFさん。...
Simon Yoh2021年9月20日1 分「放蕩息子のたとえ」で気づくこと2021.9.20 「放蕩息子のたとえ」で気づくことがある。 二人の兄弟がいて、弟が父親の財産を分けてもらい、遠い国に旅立った。そこで彼は放蕩の限りを尽くして財産を全て失くしてしまい、飢え死にしそうになった。困窮の果てに自分の犯した罪の深さを知り、故郷に帰って罪を償おうと思...